ボディメイク:筋肉を増やして脂肪を落とす食事と筋トレ
GYMDONE 編集チーム

ボディメイクで、筋肉を増やしながら脂肪を落とすことは可能です。このように両方を同時に目指す方法を、ボディリコンプと呼びます。ウエストが細くなり、筋トレで扱える重量が増えても、体重はほとんど変わらないことがあります。特に両立しやすいのは、筋トレ初心者、しばらく休んで再開した人、体脂肪が多めの人です。週3回の筋トレで回数や重量を少しずつ増やし、たんぱく質は体重1 kgあたり1.6 g以上を摂ります。摂取カロリーは、体重を維持できる量か、それを少し下回る量に設定しましょう。
変化はゆっくりです。まずは8–12週間続け、体重だけで判断せず、ウエストと筋トレの記録を見ましょう。ここからは、始める時点の状態による取り組みやすさ、食事の目安、週3回のメニュー、記録した数値の読み取り方を解説します。
筋肉を増やして脂肪を落とすボディメイクは可能?
可能ですが、変化の速さは始める時点の状態に大きく左右されます。2つの研究から、その幅がわかります。Longlandらの研究では、若い男性40人が4週間、摂取カロリーを40%減らす厳しい食事制限と、週6日の高強度トレーニングを行いました。たんぱく質を体重1 kgあたり2.4 g摂ったグループは、除脂肪量が約1.2 kg増え、脂肪が4.8 kg減りました。体重1 kgあたり1.2 g摂ったグループでは、除脂肪量が約0.1 kg増え、脂肪が3.5 kg減りました(Longlandら、2016年)。この食事制限をまねするべきではありませんが、脂肪を減らしながら除脂肪量を増やせることを示しています。
もう1つは、両立が特に難しいと考えられるエリートアスリートを対象とした研究です。週に体重の約0.7%を減らしたグループは、約8.5週間で除脂肪量が2.1%増えました。週1.4%の減量を目標にしたグループも、減った体重の割合は同程度でしたが、除脂肪量の増加は見られませんでした(Gartheら、2011年)。24人を対象とした小規模な試験なので、絶対的なルールではなく、ゆっくり減量するほうが筋肉を守りやすいという傾向として捉えてください。
ただし、除脂肪量は筋肉量と同じではありません。水分や体内に蓄えられた糖質も含まれます。筋トレの記録も確認したいのは、そのためです。
| 始める時点の状態 | 実現しやすさ | 取り組み方 |
|---|---|---|
| 筋トレを始めたばかり | 実現しやすい | 下のメニューを身につけ、たんぱく質を十分に摂りながら、体重の維持に必要な量に近い食事を摂りましょう。筋トレ自体が新しい刺激になるので、厳しい食事制限は避けてください。 |
| 長いブランクからの再開 | 実現しやすい | 以前より軽い重量から始めましょう。筋力を取り戻す過程は、初めて筋力をつけるときより速く進むことが多いです。詳しくはブランク後のジム復帰ガイドをご覧ください。 |
| 体脂肪が多め | 実現しやすい | 摂取カロリーを適度に減らす方法が向いています。ただし、消費カロリーとの差は1日あたり約500 kcal未満に抑えましょう。 |
| 体脂肪が少なく、筋トレ歴が長い | 変化は緩やか | 変化が小さく、見逃しやすくなります。筋肉を増やす期間を設けるか、短期間の脂肪を落とす期間を設けるほうが、はっきりした成果を得やすい場合が多いです。 |
食事量はどのくらいが目安?
決めておきたい数値は、摂取カロリー、たんぱく質量、体重が変わるペースの3つです。摂取カロリーと体重の変化を管理すれば、食事を減らしすぎるのを防げます。減らしすぎは、筋肉を増やしながら脂肪を落とす取り組みで最もよくある失敗です。
- 摂取カロリー:体重の維持に必要な量より200–300 kcal少ない量から始めます。初心者なら、維持に必要な量でも構いません。この範囲は実践上の目安であり、そのままの条件で効果が検証された数値ではありません。より明確な上限の目安になるのが、1日あたり約500 kcalの不足で、筋力は向上しても除脂肪量の増加は妨げられたとするメタ分析です(Murphy & Koehler、2022年)。
- たんぱく質:1日あたり体重1 kgにつき1.6 g以上、体重80 kgなら約130 gを目指しましょう。49件の研究をまとめたレビューでは、筋トレを行う場合、体重1 kgあたり約1.6 gを超えて摂っても、除脂肪量がさらに増える効果は見られませんでした(Mortonら、2018年)。ただし、これらの研究は減量を主な対象としたものではありません。Longlandらの研究でたんぱく質を多く摂ったグループの結果からは、摂取カロリーを大幅に減らす場合、たんぱく質を増やすことが役立つ可能性がうかがえます。摂るタイミングや食品の選び方は、筋肉を増やすためのたんぱく質ガイドで解説しています。
- 1週間の体重変化:体重も落としたい場合は、週に体重の約0.25–0.5%、体重80 kgなら0.2–0.4 kgの減量に抑えましょう。多くの人は研究者の管理下で食事やトレーニングをするわけではないため、アスリートの研究での0.7%より、あえて緩やかなペースにしています。
週3回の筋トレメニュー
摂取カロリーが少ないときでも筋肉を維持し、増やすよう体に刺激を与えるのが、重い重量を扱う筋トレの継続です。長時間のサーキットトレーニングに置き換えないようにしましょう。月・水・金など週3日行い、主要種目ではセット間に1–3分休みます。詳しくはセット間の休憩時間をご覧ください。
- メニューA3セット × 6–10回3セット × 6–10回3セット × 8–12回2セット × 12–15回2セット × 10–12回
- メニューB3セット × 8–10回3セット × 8–10回3セット × 8–12回左右各2セット × 8–10回2セット × 10–12回
- メニューC3セット × 8–12回3セット × 8–12回3セット × 8–12回2セット × 10–12回2セット × 10–12回
自宅で行う場合は、次の種目に置き換えられます。動きの種類は同じで、必要なのはダンベルとトレーニングバンドだけです。
| 動きの種類 | 自宅で行う種目 |
|---|---|
| スクワット | |
| ヒップヒンジ | |
| プレス | |
| ローイング | |
| プルダウン |
週ごとの進め方
- 1–2週目:自分に合う重量を見つけます。各セットは「あと2回ほどできそう」と感じるところで終え、重量と回数を記録しましょう。
- 3–8週目:できるところから回数を増やします。すべてのセットで設定範囲の上限に達したら、増やせる最小幅で重量を上げ、範囲の下限の回数からやり直しましょう。ほかの進め方は、漸進性過負荷のガイドで紹介しています。
- 9–12週目:同じ種目の記録が何回かのトレーニングにわたって伸びなくなった場合を除き、メニューを続けます。停滞した場合は、その1種目だけを変更し、ほかはそのままにしましょう。筋力の停滞を抜け出す方法も参考になります。
このメニューでは、大きな筋肉群を直接鍛えるセット数が、週に約5–9セットになります。減量中だからもっと頑張らなければ、と種目やセットを増やしすぎないでください。食事量が少ないと、回復も難しくなりがちです。有酸素運動は必須ではありません。加える場合は、脚のトレーニングに支障が出ない程度の軽い強度に抑えましょう。
体重が変わらないときの効果の確かめ方
体型が変わっていても、体重は何週間も横ばいのことがあります。また、1回ごとの体重は水分や食事の影響でも変動します。次の3つの数値を合わせて確認しましょう。
- 体重:週3–4回、朝に測り、週ごとの平均値を比べます。
- ウエスト:週1回、同じ条件で、へその高さの周囲を測ります。
- 筋トレの記録:すべてのセットの重量と回数を記録します。筋肉を維持できているか、増やせているかを見るうえで、最も頼りになる目安です。筋トレの記録ガイドもご覧ください。
3–4週間たったら、数値を合わせて判断します。
| 体重 | ウエスト | 筋トレの記録 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 横ばい、または緩やかに減少 | 減少 | 向上 | 順調です。そのまま続けましょう。 |
| 横ばい | 横ばい | 横ばい | 筋トレの回数や重量を実際に増やせているか、必要なたんぱく質を摂れているかを確認し、摂取カロリーを100–200 kcal減らしましょう。 |
| 急速に減少 | 減少 | 低下 | 摂取カロリーを減らしすぎています。100–200 kcal増やしましょう。 |
| 増加 | 増加 | 向上 | 摂取カロリーが消費カロリーを上回っています。筋肉を増やすにはよい状態ですが、脂肪を同時に落とすボディリコンプにはなっていません。摂取カロリーを100–200 kcal減らしましょう。 |
よくある失敗
- 初日から摂取カロリーを大幅に減らす。最初は脂肪が早く落ちますが、目指していた筋肉の増加を犠牲にしてしまいます。
- 体重だけで判断する。体重が横ばいでもウエストが細くなっていれば、それこそ目指している変化です。
- 重い重量での筋トレを、軽いサーキットトレーニングに置き換える。たくさん汗をかくことと、筋肉を成長させる刺激を与えることは同じではありません。
- 数週間ごとにメニューを変える。効果が出ているか判断するための記録を比較できなくなります。
- 4週目でやめてしまう。変化は緩やかなので、12週間で比べたほうがわかりやすいことが多いです。
よくある質問
ボディリコンプにはどのくらいの期間が必要?
効果を判断するまで、少なくとも8–12週間は続けましょう。筋トレの記録が先に伸び、ウエストの変化が見えるまでには、もう少し時間がかかる傾向があります。
摂取カロリーは必ず減らす必要がある?
必ずしも必要ではありません。初心者やブランクから再開した人なら、定期的に筋トレをしてたんぱく質を確保できていれば、体重の維持に必要な量に近い食事でも変化を得られることが多いです。ただし、見た目にわかる脂肪減少を目指すなら、摂取カロリーを少し減らすほうが取り組みやすいでしょう。
ボディリコンプと増量・減量、どちらを選ぶ?
筋トレ初心者、ブランクから再開した人、落としたい脂肪が多い人は、まずボディリコンプから始めましょう。すでに体脂肪が少なく、主に筋肉を大きくしたいなら、計画的に摂取カロリーを増やすほうが早く目標に近づける可能性があります。詳しくは筋肉量を増やす方法をご覧ください。
女性でもボディリコンプはできる?
できます。メニューや変化の確かめ方は同じです。ただし、Longlandらの試験は若い男性だけを対象としているため、同じ数値になるとは考えないでください。月経の前後で体重が変動する人は、月経周期の同じ時期にウエストを測ってください。
安全に取り組める?
健康な成人の多くにとって、摂取カロリーを少し減らし、段階的に筋トレを進めるのは妥当な方法です。糖尿病、腎臓病、摂食障害の既往、けががある人や妊娠中の人は、食事やトレーニングを変える前に医師や管理栄養士に相談してください。
参考文献
- Longlandら(2016年):高強度運動を伴うエネルギー制限下での、たんぱく質摂取量の多い食事と少ない食事の比較、American Journal of Clinical Nutrition
- Gartheら(2011年):エリートアスリートにおける2つの減量ペースの比較、International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism
- Murphy & Koehler(2022年):エネルギー不足と筋力トレーニングによる筋力・除脂肪量の変化、Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports
- Mortonら(2018年):たんぱく質の補給と筋力トレーニング、British Journal of Sports Medicine